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二回試験不合格【禁止事項】 司法修習生最後の難関

これをやると二回試験に落ちる

二回試験不合格の多い原因を列挙します。

二回試験には、「これ」をやると、ほぼ確実に落ちるという絶対禁止事項があります。気をつけていれば避けられることですので、絶対に気をつけましょう。

1 民事弁護
原告と被告を取り違えてしまうと、ほぼ確実に落ちます。

原告の代理人としての起案であるにもかかわらず、被告側として起案をしてしまうということです。

2 刑事裁判
無罪判決を書くと、ほぼ確実に落ちます。

実務では、99パーセント以上の確率で有罪判決を起案することになります。
そのため、二回試験でも有罪判決前提で起案をさせるということだと思います。
これに対して、
「二回試験で無罪判決を書くと不合格になるような制度でいいのか?」
という、思想的な疑問視がされることもあります。
私も、この思想的な疑問は当然のことであり、将来の運用においては、無罪判決を書くことが二回試験のうえで不利益とならないように改善としてほしい、と痛切に思うところです。
しかしながら、現実問題としては、二回試験で無罪判決を書くと不合格になる、という現実はあるわけです。
修習生という立場では、思想的な問題は、とりあえず棚上げして、「どんなに無罪に見えたとしても、強引に」有罪判決を書いてください。

3、検察
不起訴処分にすると、ほぼ確実に落ちます。

刑事判決と異なり、検察は、実務では、不起訴裁定書を日常的に書くことになります。
ですから、検察が、思想的に不起訴裁定書を書かせないようにしている、ということではないのです。
不起訴処分にすると二回試験に落ちる、というのは、単純に技術的な、配点上の問題です。

不起訴処分にすると、起訴状を起案することがありません。
そうすると、起訴状に対して配点されていた点数が全く加算されなくなるため、不起訴裁定書が、どれほど良くできていても、合格最低点に達しないと思われます。

4、刑事弁護
刑事弁護で、有罪弁論をおこなうと、ほぼ確実に落ちます。

実務の刑事弁護で、もっとも厳しく禁止されることは、
「被告人が無罪主張をしているのに、弁護人が有罪弁論をおこなってはいけない」
ということです。
これをやってしまうと、懲戒問題にもなりますので、絶対にやめましょう。
その意味では、二回試験で有罪弁論をおこなうと落ちるというのは、ものの道理とでも言うべきことです。

もちろん、実務では、有罪弁論をおこなうことの方が多いわけですが、それは、
「被告人が有罪を認めている場合」
だけのことです。
被告人が無罪主張をしているかぎりは、どれだけ有罪だと思ったとしても、強引に理屈をこねて無罪主張をおこなうのが弁護士の仕事です。

5、全部共通して
途中答案だと、ほぼ確実に落ちます。

なにが途中答案かは、解釈の余地があるのかもしれません。
とりあえず、「結論」を書いておけば、途中答案ではないと強弁できそうな気がします。
もし、残り時間との関係で、ほんとうに途中答案になりそうだったら、途中の論理はすべてすっ飛ばして
「結論 以上のことを総合考慮すると、結論としては〇〇である」
と、強引に一行だけ「結論」を書いてください。
刑事弁護であれば、
「結論 以上のことを総合考慮すると、結論としては被告人は無罪である」
民事弁護であれば、
「結論 以上のことを総合考慮すると、結論としては原告には、請求の趣旨どおりの請求が認められるべきである」
刑事裁判であれば、
「結論 以上のことを総合考慮すると、結論としては被告人は主文のとおり有罪である」
とでも、書けばいいでしょう。

どんなに、めちゃくちゃ強引であったとしても、とにかく「結論」というタイトルだけは書くのです。

そうすれば、中身が大きくとんでいても、とにかく、「結論」というタイトルのあるものを書いているという理由で、ギリギリで途中答案とは解釈されずに助かる可能性があります。

聞くところによれば、二回試験で誰を落とすかという話になった場合、
自分のクラスの教官は、強引にでも、自分のクラスの生徒を守ろうと、論陣をはるのだそうです。
そのときのことを考えれば、教官としては、
「結論、というタイトルがついているのだから、こいつは結論を書いている。よって、途中答案ではない」
ということを強引にでも主張できるわけです。

自分を救ってくれる教官のことを信じて、ほんとうに途中答案になりそうなときには、30秒だけ使って、一行だけ「結論」を書いてください。

 

終了時間に、全ての起案を紐でとじていないと、ほぼ確実に落ちます。

これは有名なルールであり、みんな知っていると思います。

それでも、毎年、1名か2名、「紐でとじていなかった」というだけの理由で、二回試験に落ちるようです。

しかも、落ちた人の半分は
「一度は紐でとじたが、閉じ方がきれいでなかったので、一度ほどいて、結び直そうとしているときに終了時間になった」
「一度は紐でとじたが、終了を待っている間に、少し気になって起案を追加して書いたので、一度ほどいて新しいページを追加しようとしているときに終了時間になった」

という、とても残念な落ち方をしたそうです。

とにかく、きれいであっても、きれいでなくても、一度とじた紐は、絶対にほどいてはいけません。

また、一度紐でとじたら、絶対に、新しい起案を書いてはいけません。

ただし、「すでに紐で閉じてある状態の上から加筆する」ということは、してもよいでしょう。試験時間内であれば。

ですから、賢い修習生であれば、一度とじてしまった起案を、ほどかない状態で、起案の空いているスペースに加筆をするのです。

そのため、起案用紙は、完全に全行を使い切るのではなく、ところどころ、あえて空白を残しておくのが、よいでしょう。

もっとも、もっと賢い修習生は、あとで加筆しなくてすむように、制限時間内に全部書き終えてから起案用紙をとじるものですが。

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