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任官・任検のリスク


新士の人弁護就職事情が悪いために,最近では,裁判官,検察官の人気が高まっている。
ただ,裁判官,検察官になるためには,二回試験で良い成績をとらなければならない。
裁判官は当然,上位の成績でなければならないし,検察官の場合も半分よりは上でないと難しい。

つまり,裁判官,検察官には二回試験で失敗するとなれないというリスクがある。

そのため,普通は,修習の最初から裁判官,検察官に一本やりに絞る人はおらず,普通に就職活動をすることが多い。
法律事務所からの内定も普通にもらう。

ただ,裁判官,検察官になる場合,さすがに,「二回試験が終わったあとに成績が良かったので,やはり裁判官になります」というやり方はできない。

裁判官,検察官の志望者も法律事務所から内定をもらうことはかまわないのであるが,いつかの段階では,内定辞退を切り出さないといけない。
内定辞退の時期は,早い人なら3月ころ,遅い人でも5月か6月ころには内定辞退を切り出す必要があるだろう。

そのため,裁判官,検察官志望者は二回試験の段階では法律事務所の内定はすべて辞退しているのが通常である。
そこで,たまたま,病気なり事故にあって,二回試験の成績が悪く,裁判官,検察官になれなかったとすれば悲劇である。本来ならば内定をいくつももらえるような優秀者であったにもかかわらず,結果的には内定なしで社会に放り出されることになる。

裁判官,検察官を志望する場合には,そのようなリスクがあることを考えておこう。
私が新人だった十数年前には,二回試験で失敗して裁判官になれなかった修習生も,修習先の弁護士会が面倒をみて就職の斡旋をしてくれていたが,最近ではそういう期待はできないだろう。

現在の制度は,制度の矛盾を,全て修習生の個人のリスクに負担させているという意味で,最悪の制度だと,個人的には思う。