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事務所選びの要点

自分の将来設計

自分の生来の価値観を十分に生かした将来設計は、実現可能性が高い。
一方、世間で高く評価されている将来設計であっても、自分の価値観に合わないものは実現可能性は低い。

自分の将来設計は、以下のようなプロセスで考えると明確になりやすい。

① 自分の価値観を踏まえたうえで、「自分は、3年後に、どういう弁護士になりたいのか」を考える。

② では、そういう弁護士になるためには「3年間でどういうキャリアを積めばいいのか」を考える。
③ では、3年間にそういうキャリアを積むためには、今、どういう事務所に入るべきなのか、を考える。

この思考過程では、自分に正直になることが大事である。
「お金持ちになりたい」
「リッチになりたい」
でも、一向にかまわない。

●もし、目標が「お金持ちになりたい」とすれば、次に、そこでいう「お金持ち」とは、具体的には預金残高何円以上なのかを考えないといけない。そして、3年後に預金残高を××円にするためには、就職した初年度、2年目、3年目、に、それぞれ、いくら稼げばいいのか、を数字で表現することである。

●「3年後には、自分は一人前の弁護士として、先輩やボスの助けを借りないでも一人で法廷活動ができるだけの力量を身につけたい」
という目標設定をすれば、
「3年間の間に、なるべく多くの法廷活動を経験したい。単独で法廷に立つ経験を多くしたい。したがって、新人から、法廷活動を多くさせてくれる事務所がいい」という「3年間のキャリアプラン」が浮かんでくる。
そうすると、自分の「3年間のキャリアプラン」を達成するためには、どういう事務所を選べばいいのか、ということが自然と決まってくる。
「法廷に多く立ちたい」のであれば、M&A業務、契約書のチェックの業務の比率が高い事務所は候補からはずれることになるだろう。

●「仕事だけでなく、自分のライフワークとして弁護士会の委員会活動を積極的にやりたいし、新聞に出ているような弁護団活動に参加したい」
という目標設定をすれば、
「弁護士会の委員会活動や弁護団活動が自由な事務所がよい。忙しすぎて現実には無理だということは避けたいため、先輩の弁護士が、実際に委員会活動や弁護団活動に参加している事務所がいい」
ということになるであろう。

以上、要するに、「事務所選び」の最初の課題は
「そもそも自分の価値観はなにか?」
「自分は何になりたいのか?」

という、自分の再発見と、自分の将来設計の問題なのである。

 

なお、「なぜ3年か?」という疑問をもたれるかもしれない。
「将来のこと」を考えるのであれば、10年先の自分まで考えて計画を立てた方が、より効果的であるかもしれない。
しかし、10年の間に、自分も成長して今とは考えることが変わってしまうかもしれないし、10年もたったら社会の環境は全く変わってしまうであろう。したがって、「現時点で考えた10年後の目標」は、10年後にはまったく陳腐なものになっていると思われる。
(10年前に、中国がGDPで日本を抜くと誰が想像しただろうか?)

したがって、現時点の自分や社会の状況を前提として計画を立ててよい範囲として「3年」が適当かと思う。

企業の事業計画も、おおむね3年程度で立てることが多い。