平成26年 11月号 ニュースレターPDFダウンロード
当月号のニューレターの内容は下記のとおりです
(前回まで)私が弁護士をめざした理由のひとつに,一冊の本との出会いがありました…
私が早稲田大学の1年生のころ,「最高裁物語(著者 山本祐司」という書籍を読みました。
日本の司法は,第二次大戦後に,大きく変わりました。
新しく誕生したと表現した方が適切だとさえ思います。
その,戦後に新しく誕生した司法が,どのように司法の独立を確立していったか,戦後の社会の変化と,どのように向き合っていったのか,ということがくわしく書かれた良書でした。
とくに,いわゆる四大公害事件において,裁判所と弁護士が果たした役割は社会の根幹的な部分への変化を主導するものでした。
このころ,日本社会における司法の存在感は頂点であったのではないかと思うほどです。
逆に,最近の裁判所は,刑事事件の報道はあるものの,社会の在り方に大きく影響をあたえるような裁判というものが少なくなっているように思います。
「最高裁物語」を読んで,社会に大きな影響をあたえる司法の世界において,自分の判断で仕事をしていくことができる弁護士という仕事に大きな魅力を感じ,司法試験の受験をこころざしました。
次に,受験のための予備校探しを考えていくことになります(続く……)
生前に大きな借金をしていた方が亡くなった場合,相続する方が何もしないでいると,借金を相続してしまうことになります。
相続というと,財産がある方のイメージですが,借金というマイナスの財産も相続の対象となるので注意してください。
よく相談があるのが,「父は独り暮らしであり,借金があるということを家族にも話していなかった。しかし,父が亡くなってから,消費者金融からの請求書が相続人宛に来て,始めて借金があることがわかった」というケースです。
こういうケースでは,まず,時間的な問題に注意が必要です。
相続放棄は,被相続人が亡くなってから3カ月以内におこなうのが原則だからです。
3カ月というのは,すぐに経過してしまいます。
もし借金があることが被相続人が亡くなってから半年経過してから,初めてわかったという場合には,借金があることが判明してから3カ月以内に出せば認めてもらえるケースもあります。
また,被相続人の財産を,少しでも使ってしまうと相続放棄ができなくなります。
ですので,借金があるのかないのか,きちんと確認してからでないと,被相続人の財産を使うことには注意した方がよいでしょう。